ZVSドライバを作ってみた

注意
この記事を参考に実験をしてどのような結果になろうと(感電死含む)、
管理人nezumi_techはいかなる場合であっても責任を負いません。
この記事を参考に製作・実験をする場合は自己責任でお願いします。


ZVSドライバを作ってみました。イメージ 1
具体的には、ZVS方式によるインバーター(IH装置に転用)ですね。



ZVSとは、「Zero Voltage Switching」の略です。
DC-DCコンバーター等で使われているスイッチング方式の一つで、
電圧がゼロになったときにスイッチングを行うとか何とか…
この資料が分かりやすいと思います。

ところで「ZVSドライバ」っていう呼び方で合ってるのか?



この回路の原典は、恐らくこのサイトです。

イメージ 2
(上記サイトより引用)
回路図はこんな感じですね。

LC共振回路にZVSを2つくっつけて交互に電圧を印加する感じです。
恐らく、Lの電圧が0Vになったときにスイッチングしているのでしょう。

加熱コイルにセンタータップが付いているタイプの回路もありますが、
今回はセンタータップ無しの回路で作りました。



使った部品は下記です。

MOSFET             TK100A08N1     2個
FRD            ER504         2個
ツェナーダイオード    BZX85C12     2個
セメント抵抗         100Ω5W     2個
カーボン抵抗        10kΩ1/4W     2個
トロイダルコイル     200μH9A     2個
コンデンサ        2.2μF250V     2個
基板             Bタイプ        1枚
ターミナルブロック    3ピン         3個
ターミナルブロック     2ピン        2個

秋月で揃えてみました。合計3k円くらいです。
MOSFETはこんなに高い石使わなくてもいいです(60V40A程度)。
というか燃えても惜しくない石使ってください。私は燃やしてません。
FRDはできるだけ早いやつを(SiC使う必要あるか?)。

あと、IH用の適当な手巻きコイルが必要です。

まあ各自考えてください。



配線図はこんな感じです。

イメージ 3


イメージ 4


赤いホーロー抵抗器はトロイダルコイルのつもりです。
電圧はそれほどでもありませんが、キチガイみたいな電流が流れるので、
電流が流れそうなところは太く配線してください。



実際に配線するとこうなります。
イメージ 5
ものすごく汚いですが見逃してください(

ER504の足が太すぎたので、基板の穴を広げました。

配線図と違う部分が多々ありますが、各自考えてやってください。



誘導加熱してみました。

まずは鉄線から。
コイルに入れてすぐに、真っ赤になります。

水も加熱してみます。
なお、鉄片を入れないと温まりません。
この通り、簡単に沸騰します。


なお、この回路は滅茶苦茶な大食らいです。
12V印加時で大体10Aくらい平らげてしまいます。
なお、これでもまだまだ余裕みたいです。
(本気を出したらどうなることやら…)

私は安定化電源を使っていますが、
ATX電源を改造したやつとかでも良いと思います。



この回路の出力波形をオシロスコープで見てみました。
コイルの両端にプローブを当てました。
イメージ 6
この通り、交互に電圧が印加されています。
片方の電圧が0Vになったときにもう片方に電圧が印加されています。
ZVSとして機能しているようですね。

CH1とCH2で差動モードにして(CH2を反転してCH1に加算)観測すると、
イメージ 7
わーい綺麗な正弦波!
大体70KHzで発振しているようです。
(発振周波数はf=1/(2π√(LC))で求めることができます)



おまけ

イメージ 8
高周波の表皮効果で抵抗が増えてコイルが真っ赤に…
リッツ線を使うと良いのか?それとも水冷にしちゃう?)